イタリア風グラウンドによるディヴィジョン品川区西大井のギター教室|品川ギター教室
こんばんは、今日も寒いですね・・・。
今日は知り合いのフルート吹きのSさんと久しぶりに合わせ練習をしました。
Sさんは普段は会社員としてお仕事されてますが、熱い根性と飽くなき探究心を併せ持ったとても腕の立つフルート奏者です。
忙しい中、師匠についてストイックな修行に励んでおられますが、「たまには緩く演奏しようよ。」ということで、たまに緩くご一緒させていただいてます。
そして、練習していかないと怒られるという・・・すみません次回はちゃんとさらっていきますよ。
さて曲はバロック時代のイギリスの作曲家、ロバート・カーの「イタリア風グラウンドによるディヴィジョン “Division upon an Italian Ground”」です。
ロバート・カーの生涯については詳しいことは分かっていませんが、この作品は1686年に出版された”The Delightful Companion”ー「楽しい手引書」と銘打たれた曲集に収められた一曲です。
タイトルに付けられている「イタリア風グラウンド」というのは、バッソ・オスティナート(Basso Ostinato)の意味で、ディヴィジョンというのは下声部に置かれたオスティナートの上で繰り広げられてゆく変奏曲のことです。
この作品ではニ短調のオスティナート(3/4拍子 8小節)が11回繰りかえされて、上声部が美しい変奏を展開してゆきます。
17世紀のイギリスではこのディヴィジョンが大変に愛好されたようで、1706年には「フルートのためのディヴィジョン “The Division Flute”」という曲集も出版されています。
非常に素朴な美しいメロディーの変奏曲で、短いながらも、この時代のディヴィジョンの傑作の一つかと思います。
さすがバロック音楽を愛好されるSさん、「自分のトリルがダサイ!」と自虐されてましたが、古楽然とした歌いまわしの大変キュートな演奏かと思います。
そのうちリコーダー&19世紀ギターという、原曲と同じ編成でやってやろうという野望がありますが、今回はモダンフルート&クラシックギターで演奏しました。